就職困難者とは、どのような方が対象になるのか気になりませんか。
失業保険を通常よりも長く受け取れると聞いたことがあるのだけど・・・
そこで本記事では、就職困難者と認定されると、失業保険の何がどう変わるのか解説していきます。
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就職困難者とは
就職困難者とは、下記理由によって、就職が著しく阻まれている方をいいます。
- 心身に障害がある
- 刑法等の規定による保護観察中
- 社会的事情がある
認定には、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持が必要です。
ただし、一定の障害や疾病(例えば、てんかん、躁うつ病(そう病・うつ病)、統合失調症)の診断がある場合は、医師の診断書でも該当することがあります。
就職困難者の基本手当(失業保険)の所定給付日数
就職困難者の基本手当(失業保険)の所定給付日数は、以下の通りです。
就職困難者の場合
被保険者であった期間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | ||
45歳未満 | 150日 | 300日 | ||||
45歳以上 65歳未満 | 360日 |
就職困難者と認定されると、最低でも150日~と、給付される金額も大幅にかわります。
以下の表は、退職理由による、所定給付日数の表です。
自己都合による退職の場合
年齢 | 被保険者であった期間 | ||||
---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |
65歳未満 | なし | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
会社都合による退職の場合
年齢 | 被保険者であった期間 | ||||
---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上 5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上 35歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上 45歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上 60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上 65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
65歳以上 | 30日 | 50日 | 50日 | 50日 | 50日 |
比較すると、どれほど違いがあるか、一目瞭然!
1枚にまとめたシートです!
1年以上5年未満の加入者の場合、210日も給付日数が異なるんだね。
ハローワークインターネットサービス
失業保険の基本的な情報を知りたい方は、こちらの「失業保険をもらいながらゆっくり就活!条件や計算方法を受給経験者が伝授」にまとめているので、参考にしてくださいね。
就職困難者になると何が変わるのか
では、就職困難者と、そうでない離職者では、どういった違いがあるか解説します。
求職活動を行う回数
失業保険を受給するためには、求職活動をしなければなりません。
前回の認定日から今回の認定日の前日までに、以下の回数が必要となります。
▼一般の離職者 | ▼就職困難者 | |
---|---|---|
2回以上 | → | 1回以上 |
求職活動の実績は、以下のことが認められます。
【求職活動実績になるもの】
- ハローワークで職業相談をする
- ハローワークで職業訓練の相談をする
- ハローワークでセミナーを受講する
- 転職サイトで求人に応募する
- 転職サイトでセミナーを受講する
求職活動は結構大変なので、負担が軽減されるのは嬉しいですね。
雇用保険の加入期間
基本手当を受給するためには、雇用保険の加入期間が必要となります。
▼自己都合による退職者 | ▼特定受給資格者・一部の特定理由離職者 | |
---|---|---|
離職日以前2年間のうち、通算12ヶ月以上 | → | 離職日以前1年間のうち、通算6ヶ月以上 |
心身の障害がある場合、特定理由離職者に該当することが多いですが、最終的にはハローワークが判断を行います。
気になることがあれば確認すると良いでしょう。
厚生労働省 サイト内資料
支給日数
「就職困難者の基本手当の所定給付日数」でも解説したとおり、支給日数に大きな差があります。
▼一般の離職者 | ▼就職困難者 | |
---|---|---|
90~330日 | → | 150~360日 |
常用就職支度手当が貰える
常用就職支度手当とは、就職困難な受給資格者(障害のある45歳以上の方)が、ハローワークまたは民間職業紹介事業者の紹介により、安定した職業に就いた場合にもらえる給付金。
支給金額は、以下の計算で算出できます。
支給残日数 | 支給額 |
---|---|
90日以上 | 基本手当日額×90×40% |
45日以上90日未満 | 基本手当日額×支給残日数×40% |
45日未満 | 基本手当日額×45×40% |
常用就職支度手当と、再就職手当は、両方もらうことはできません。
うつ病を発症していても失業保険は受け取れるのか
うつ病を発症していても失業保険は受け取れるか、心配になりますよね。
結論、働ける状態であれば、最短、最長の条件でもらえる可能性があります。
では、詳細に見ていきましょう。
「働ける状態」であれば受給できる
うつ病で退職し、すぐに転職活動ができる場合、つまり「働ける状態」であれば失業保険を受給することは可能です。
しばらく療養するなど、まだ働ける状況にない場合は、傷病手当金を受け取ることになります。
体調によって、どう手続きすべきか変わってくるので、注意しましょう。
自己都合退職でも受給できる
退職理由には「会社都合退職」と「自己都合退職」があり、2ヶ月の給付制限の有無が変わります。
退職理由は、ハローワークが最終的に判断します。
うつ病を発症した背景によって、判断は変わってきますが、仕事が起因であれば、しっかりと説明しましょう。
例えば、長時間労働を強いられた、パワハラ・セクハラにあった場合、会社側の責任と認められれば「会社都合退職」になります。
この場合、2ヶ月の給付制限がないので、わりとすぐに給付金を受け取れます。
では、うつ病がきっかけで辞めざるを得ない自己都合退職の場合どうでしょうか。
この場合、「特定理由離職者」に該当すれば、2ヶ月の給付制限がなくなります。
通常の自己都合退職だと、手元に入ってくるまでに2ヶ月以上かかってしまうので、助かりますよね。
特定理由離職者に認めてもらうには、医師の診断書を用意するなど、なるべくスムーズに失業保険が受け取れる状態にしておきましょう。
しっかりと心身と向き合いながら生活するために、失業保険や傷病手当金があります。
うまく活用して、安心した生活をしましょう。
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就職困難者に認定された場合のデメリットはあるか
就職困難者に認定された場合、デメリットがないか気になりますよね。
- 就職困難者になったら、就職活動に影響しない?
- 次の会社には、就職困難者として報告されるの?
- 生活面で影響することはない?
働ける仕事がしぼられてしまわないか、気になりますよね。
一般的には、障害をオープンにして働くか、クローズにして働くか選択できます。
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、いずれかの手帳を持っている方は、「一般枠」、「障害者雇用枠」のどちらの採用枠でも応募ができます。
【メリット】
・苦手な仕事やできない仕事を理解してもらいやすい=得意な仕事を活かして長く働ける
・月の通院時間の確保、昼間の服薬がおこないやすい
【デメリット】
・障害者求人は一般求人に比べて、求人数が少なく、かつ年収が低い傾向にある
・仕事内容は軽作業のものが多く、任せられる仕事が限られてしまうことがある
・職場で慎重に接されることがある
【メリット】
・一般求人の方が障害者求人よりも数が多いため、働きたいと思える会社が見つけやすい
・好きな業種にチャレンジしやすい
【デメリット】
・調子がよくても、悪くても、同じパフォーマンスが求められる=自分の状況に合った調整がしてもらえない
・月の通院時間の確保、昼間の服薬がしにくい
・バレないように働くことがストレスになることも
どちらもメリットデメリットがあるのは事実。
また、診断書を書いてもらうことにより、一定期間、生命保険などの保険に入れない可能性があります。
将来への影響も考えたうえで判断しましょう。
とはいえ、今はご自身の心身と向き合うことが大切。
あなたらしい働き方ができるのが1番なので、「こうあるべきだ」という考えは一旦おいといて、じっくり考えてみましょう。
就職困難者として失業保険を受給できれば、心身と向き合う時間が増える
就職困難者と認められるには、条件やハローワークの判断があります。
失業保険の受給条件について、優遇されることも多いですが、デメリットがあることも理解しましょう。
最も大切なのは、あなた自身の心身の状態と向き合い、焦ることなく、納得のいく就職や転職をすることです。
あなたが1番助かると思う選択肢が、今取るべき行動です。
知っておいて損はない選択肢
退職前なら1度は読んでおきたい
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