午後の科目である『給水及び排水の管理』は、7科目の中で、2番目に出題数が多く、35問出題されます。
大きくは、「給水」「給湯」「排水」に分類され、各設備の特徴や配管、保守管理など広く知識を問われます。
この記事では、排水設備についてまとめています。
では早速、力試しの問題です。
◎管径65㎜の排水横管の最小勾配は、1/50である。
答え:〇
このサイトは、ビル管理士試験に挑戦するあなたの+αになることを目指して、
過去9年分の過去問から重要なポイント、覚えにくい内容をまとめたシートを投稿しています。
排水設備は、全部で10数問出題されます。
今回まとめた範囲だけでも、毎年3~5問出題されますので、確実に点数に結びつけられるよう、頭の整理をしましょう。
さっそくシートを見たい方はこちら▼
この記事を活用してほしい人
・赤本の解説は丁寧だけど、量が多すぎて要点をまとめたものがほしい人
・過去問解いて覚えた内容を定着させたい人
・最後の追い込みは家中に資料を貼ったり、持ち歩いて頭に叩き込みたい人
夫婦そろってビル管理士試験を突破しましたが、私は2度目、夫は3度目で合格しました。
だからこそ伝えたい、注意してほしいことは、この記事でまとめています。
力試しの問題、管径によって勾配が異なりますので、どの管径で出題されても解けるようにしておきましょう。こちらのシートにもまとめてあります。
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押さえるべき数値(保存版)/排水設備編
排水は数値がよく出題され、覚えるべき内容は多い単元です。
しかし、数値を変えてある設問から、最も不適当なものを答える問題が多いため、そう難しくありません。
過去問の傾向から、大まかに分類分けしてまとめているので、ぜひシートごとに覚えていくようにしましょう。
全9シート、赤字は絶対に覚えてくださいね。
排水の水質
BODとCODの説明を入れ替えて出題されることが多いです。
好気性微生物ときたらBODと判断できるようにポイントを押さえておきましょう。
排水設備に関するよく出る用語
問107付近でも、給水の用語とミックスして、用語の組み合わせを問われる問題が出てきます。
正圧負圧や、好気性嫌気性、有機性無機性といった言葉は、特に注意してみておきましょう。
反対の言葉に変えて出題されることがよくあります。
排水用管材、配管
管材はその他にも種類がありますが、過去問に頻出される部分をピックアップしています。
排水横管の勾配は赤字にしていませんが、とても重要なので、表をまるっと覚えましょう。
設問に「敷地内排水設備の~」と出た場合は、下水道の内容と入れ替えられていないか、「合流式の~」と出た場合は、分流式の内容と入れ替えられていないか、よく見ましょう。
過去問をたくさん解いていると、設問の内容を覚えることに意識がいきがちですが、設問を読むコツをつかむのも大切です。
排水トラップ
脚断面積比の式が出たら、流出入が入れ替わっていないかよく見ましょう。
また、脚断面積比が大きくなると、封水強度は大きくなります。小さく~と出たら要注意です。
間接排水
飲料用水槽において、管径100mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。
間接排水管については、このような出題をされます。
設問で「間接排水管に設ける排水口空間は~」ときたら、シートの表を思い出しましょう。
飲料用貯水槽については、排水管の口径に関わらず最小150㎜の排水口空間が必要となります。頻出問題です。
通気方式
ここまで排水設備と言っていますが、排水設備には通気設備が欠かせません。
通気設備についても、毎年必ず出題されます。
しかし、排水通気配管に関する~と出題される年度もあれば、通気管についての単独問題ではなく、排水全体の問題のなかで、バラバラと設問が登場している傾向です。
通気管全体に言える内容、方式ごとに異なる特徴、それぞれをしっかり区別して覚えておきましょう。
掃除口、排水ます
掃除口の口径、設置間隔、保守空間は全て重要事項です。
厨房用の口径100mmの排水管に設置する掃除口の口径は、100mmとする。
厨房用の排水管に設置するものは、排水管と同径なので、上記内容は正解ですね。
文章で出題されるとピンと来ないかもしれませんが、しっかりと表を思い出すようにインプットしておきましょう。
排水槽、排水ポンプ
赤字は全て重要、どれもよく出題される内容です。
数値が異なるものはないか、汚水なのか汚物なのか、メカニカルシール部のオイルなのか、シール自体なのか、しっかり読んで解いていきましょう。
阻集器、排水管の洗浄法
阻集器と排水管の洗浄法についても、数値がたくさん出てきます。
赤字については、別の数値や内容に変えて出題されることが多いので、確実に覚えておきましょう。
各分類ごとにインプットして、混乱しないように気をつけましょう。
過去問の傾向
2023~2014年度の過去問を解いた傾向を解説します。
毎年8問程度、今回シートでまとめた内容から出題されます。
そのため、問題自体の難易度は比較的やさしいですが、きちんと覚えているかが試されます。
過去問を解いて間違った問題は、シートに記載があると思いますので、マーカーをして、次解くまでに覚えるようにしていきましょう。
定着確認問題・まとめ
「給水及び排水の管理」は特に、だらだらと問題を解いてはいけません。
排水に関する問題は、
・雑用水・雨水設備で3問~4問
・今回まとめた排水通気設備は問127~134で8問程度
・その後、衛生器具設備と浄化槽 5問
といった構成なので、排水通気設備の知識を定着させるためには、毎年の過去問の問127~134をひたすら解いてください。
そして、間違った問題は、まとめシートからその内容を見つけ、メモやマーカーをして、頭に叩き込みましょう。
勉強した分、点数に出てきやすい単元でもあります。
では、定着確認問題に挑戦です。
排水の水質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)pH値は、汚水の処理工程において変化するため、処理の進行状況を推定する際に用いられる。
(2)(BOD/COD)比が高い排水は、生物処理法より物理化学処理法が適している。
(3)窒素化合物は、閉鎖性水域の富栄養化の原因物質の一つである。
(4)総アルカリ度は、硝化・脱窒反応における指標として用いられる。
(5)ヘキサン抽出物質は、比較的揮発しにくい油脂類などである。
2021年 問127の正解は、
(2)です。(BOD/COD)比が高い排水は、生物処理法が適しています。
排水通気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)管径75mmの排水横管の最小勾配は、1/100である。
(2)排水ポンプは、排水槽の吸込みピットの壁面から200mm以上離して設置する。
(3)排水槽の底の勾配は、吸込みピットに向かって1/15以上1/10以下とする。
(4)排水立て管のオフセット部の上下600mm以内には、排水横枝管を設けてはならない。
(5)厨房用の口径100mmの排水管に設置する掃除口の口径は、75mmとする。
2022年 問130の正解は、
(5)です。厨房用排水管の掃除口の口径は、排水管と同径にする必要があるので、正しくは100㎜です。
排水槽と排水ポンプの保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)排水槽内の悪臭防止対策としては、1〜2時間を超えて排水を貯留しないように、タイマ制御による強制排水を行う。
(2)排水槽の清掃作業は、酸素濃度を確認した後、硫化水素濃度が10ppm以下であることを測定・確認して行う。
(3)排水ポンプは、3カ月に1回絶縁抵抗の測定を行い、1MΩ以上であることを確認する。
(4)排水槽の清掃は、6カ月以内に1回行うことが建築物環境衛生管理基準で規定されている。
(5)排水ポンプは、1〜2年に1回程度、メカニカルシールの交換を行う。
2021年 問133の正解は、
(3)です。架橋ポリエチレン管は、メカニカル形接合か。絶縁抵抗の測定は、1ヶ月に1回以上が正しいですね。
次に解きたい問題はこちら
数年分の過去問を解くのに便利な解答用紙を作成していますので、そちらもご活用ください。
問題の傾向をつかんで、その分野ごとの重要ワードを徹底的に覚えるのが合格への道です。
受験の皆様、応援しています!
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