『給水及び排水の管理』は7科目の中で、2番目に出題数の多い科目です。
大きくは、「給水」「給湯」「排水」に分類され、各設備の特徴や配管、保守管理など広く知識を問われます。
この記事では「排水」の冒頭数問に出題される、雑用水設備と雨水設備についてのまとめです。
では早速、力試しの問題です。
◎地区循環方式は、複数の建物間で排水再利用設備を共同利用するものである。
答え:〇
このサイトは、ビル管理士試験に挑戦するあなたの+αになることを目指して、
過去8年分の過去問から重要なポイント、覚えにくい内容をまとめたシートを投稿しています。
排水設備は、全部で10数問出題されます。
今回まとめた範囲だけでも、毎年3~5問出題されますので、確実に点数に結びつけられるよう、頭の整理をしましょう。
さっそくシートを見たい方はこちら▼
この記事を活用してほしい人
・赤本の解説は丁寧だけど、量が多すぎて要点をまとめたものがほしい人
・過去問解いて覚えた内容を定着させたい人
・最後の追い込みは家中に資料を貼ったり、持ち歩いて頭に叩き込みたい人
夫婦そろってビル管理士試験を突破しましたが、私は2度目、夫は3度目で合格しました。
だからこそ伝えたい、注意してほしいことは、この記事でまとめています。
冒頭の問題は、解けましたか?雑用水システムは大きく3つ(個別循環方式、地区循環方式、広域循環方式)を覚える必要があり、それぞれの特徴をいえるようにしておきましょう。
押さえるべき数値(保存版)/雑用水設備・雨水設備編
環境への配慮で、身近でも水の循環利用や雨水の再利用などを目にすることが増えているのではないでしょうか。
雑用水システム、水質基準、処理フローなど、排水設備の中でも、再利用に関わる部分が3~5問程度出題されます。
詳しくみていきましょう。
雑用水システムと雑用水利用の注意点
雑用水システムの名称と内容・特徴を異なる組み合わせにした問題がよく出題されます。
特に、地区循環方式と広域循環方式を入れ替えて出題されることが多いので、確実に覚えましょう。
注意点については、当たり前と思われる内容が並んでいますので、さらっと読んで、理解できない、覚えにくい文章だけマーカーを引いておきましょう。
雑用水の水質基準
建築物環境衛生行政概論の〈雑用水の衛生上必要な措置〉でも覚える必要があった数値が、この科目でも出題されます。
雑用水に求められる水質基準が何なのか、再度確認しておきましょう。
排水再利用施設における単位装置
処理フローについて、いくつもあるため混乱していまいがちですが、試験対策としてコンパクトに覚えられるようにまとめました。
同じ排水でも、雨水以外の雑用水、雨水とで工程が異なることをまず知っておいてください。
そして、排水の汚れ具合や、処理後求める水質によって、多少工程が繰り返されたり、減ったりしますが、以下の流れは変わりません。
年度によって、フローの流れを問われることもあれば、単位装置1つ(膜分離活性汚泥処理装置など)について具体的に問われることもあります。
処理フローをベースに、点検項目など覚え、何が何かが混乱しないように覚える工夫をしましょう。
ぶっちゃけ、処理フロー苦手でした。でも、こうやってまとめると、そんな難しいことは言っていなくて。まず設問が、雨水なのか、それ以外の雑用水のことを問っているのかを判断して解いていきましょう。
雨水利用設備における単位装置
雨水はそう濁ったり、臭かったり、固形物が浮いていたりしていることが少ないですよね。
そのため、処理フローも、上記で紹介した排水再利用設備におけるフローとは異なります。
フローの流れも大切ですが、雨水処理には必要のない設備や工程があることを知っておきましょう(赤枠)。
今回紹介したフロー以外に、浄化槽のフローも出てくるので、混乱しがちです。1つ1つ丁寧にインプットしていきましょう。
過去問の傾向
2022~2014年度の過去問を解いた傾向を解説します。
排水設備は覚える内容が多く、特に雑用水と雨水設備では毎年同じ問題の出し方ではないため、苦手意識が出やすい部分だと思います。
しかし、誤った設問にされる内容は想定しやすく、覚えるポイントは絞られます。
・雑用水システムの組み合わせ
・水質検査の項目と数値
・処理フローの順番
・雨水利用率、上水代替率とは何に対する何の割合か
この4つについては、出題されたときに怪しんで読んでいくと、すぐに正解が見つかるかもしれません。
あと、酸素の供給が必要な主旨の設問がでることがありますが、今回まとめた設備では、どの装置にも必要なことはないので、ひっかけかな?という目線でみるとよいかもしれません。
定着確認問題・まとめ
「給水及び排水の管理」は特に、だらだらと問題を解いてはいけません。
排水については、今回まとめた雑用水設備、雨水設備のほかに、排水管、衛生設備、浄化槽など幅広く出題されます。
毎年4問程度出題されるので、雑用水、雨水に関わる問題だけ、5、6年分解いていく方がよいかもしれません。
そうすれば、今回シートにまとめた内容がぐっと理解できると思います。
では、定着確認問題にチャレンジしましょう。
雑用水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)広域循環方式は、公共下水処理場の処理水を排水再利用設備で処理し、一般に、大規模な地区に送水して利用するものである。
(2)排水再利用水及び雨水等を原水とする雑用水受水槽は、上水の補給装置を設ける。
(3)竣工時に雑用水を着色して通水試験を行い、上水系の器具に着色水が出ないことを確認する。
(4)配管にスライムが発生した場合は、雑用水の残留塩素濃度を高めて洗浄する。
(5)雨水利用設備における雨水利用率とは、使用水量に対する雨水利用量の割合である。
2022年問124の正解は、
(5)です。雨水利用設備における雨水利用率とは、雨水集水量に対する雨水利用量の割合です。
建築物衛生法による雑用水の基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)散水、修景又は清掃の用に供する雑用水は、し尿を含む水を原水として用いない。
(2)水洗便所の用に供する雑用水のpHの基準値は、散水、修景又は清掃の用に供する雑用水の場合と同じ値である。
(3)外観の検査は、7日以内ごとに1回、定期に行う。
(4)水洗便所の用に供する雑用水の水質基準項目として、濁度が規定されている。
(5)大腸菌の検査は、2カ月以内ごとに1回、定期に行う。
2019年問126の正解は、
(4)です。水洗便所用水に濁度の基準値は設定されていません。水洗便所と散水用での違いを再度確認しておきましょう。
雑用水として使用する場合の標準的な雨水処理施設における次のフローシートの( )内に入る単位装置の組合せとして、最も適当なものはどれか。
集水 → スクリーン → ( ア ) → ( イ ) → 雨水貯留槽 → 消毒装置 → 雑用水槽 → 給水
(1) ア:沈砂槽 イ:沈殿槽
(2)ア:流量調整槽 イ:活性炭吸着装置
(3)ア:活性炭吸着装置 イ:沈殿槽
(4)ア:流量調整槽 イ:生物処理槽
(5)ア:沈砂槽 イ:生物処理槽
2019年問125の正解は、
(1)です。雨水設備の処理フローで必要のない設備を除外すれば、みえてくる問題ですね。
雨水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1)雨水浸透方式は、下水道への負荷の軽減や、地下水の涵養(かんよう)を図るために設ける。
(2)雨水ますの流出管は、流入管よりも管底を20mm程度下げて設置する。
(3)雨水ますの底部には100mm程度の泥だめを設け、土砂などが下水道へ流出することを防止する。
(4)雨水排水管と合流式の敷地排水管を接続する場合は、トラップますを設け、ルーフドレンからの悪臭を防止する。
(5)ルーフドレンのストレーナの開口面積は、それに接続する雨水排水管の2倍程度とする。
2018年問128の正解は、
(3)です。泥だめは150㎜程度必要です。この問題は、どの設問にも雨水設備の重要な数値が詰まっていますので、全て覚えておくようにしましょう。
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細かく分類分けして解いていけば、必ず重要なポイントがみえてきます。
そのポイントを見つけ出し、ひたすらインプットしていくことが合格への道です。
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